認定NPO法人のメリットと課される義務について
ここでは、認定NPO法人になる場合の具体的なメリットに加え、認定NPO法人に課されている義務や責務についてご説明をしていきます。
認定NPO法人の5つのメリット
社会的信頼の獲得
認定NPO法人は、特定非営利活動促進法に規定されている高い公益認定基準に適合した法人であることが客観的に明確であるため、社会的信頼が増します。
税制優遇による寄附金の増加
認定NPO法人になることの最大のメリットは、寄附金に対する税の優遇措置があることです。
寄附した個人に対しては、所得税と住民税について寄付金控除があります。
また、相続人が相続財産を寄附した場合、その寄附した財産については相続税が非課税になります。
また、法人が寄附する場合も、損金算入限度額の枠が拡大されるので、より多くの金額での寄附がしやすくなります。
法人税の負担の減少
認定NPO法人になれば、「みなし寄附金制度」という制度を活用することができます。
みなし寄附金制度とは?
収益事業から得た利益で非収益事業の支出に充てた部分を寄附金としてみなし、一定の範囲で損金算入ができるという制度です。
組織の最適化
認定NPO法人になるためには、法令等を遵守し、適正な運営組織を構築しなければなりません。
経理等も適切に処理し、情報開示も徹底して行わなければならないことから、法人の組織基盤の強化を図ることができます。
認定を取得した後も、認定基準を維持していかなければならないため、法令等を遵守した適正な組織として法人を運営することができます。
役員や社員の法人運営に対する意識の向上
認定NPO法人になると、適正な運営組織を維持し続けなければならないため、役員や社員が認定NPO法人としての社会的責任を認識することにもつながり、法人運営に対する内部意識の向上が期待できます。
認定NPO法人の4つの義務・責務
情報公開の徹底
NPO法人は、自らの情報を公開することを通じて、市民の信頼を得ることが、特定非営利活動促進法の期待であるため、毎事業年度終了後、事業報告書等を所轄庁に提出することが義務付けられています。
認定NPO法人になると、寄附者への情報公開に加え、税制優遇を受けている法人として、利害関係者を含め、広く一般市民への情報公開を徹底しなければなりません。
年度報告の書類の増加
認定NPO法人になると、NPO法人に義務付けれている事業報告書等の提出書類だけでなく、役員報酬規程や収益の明細、借入金の明細等一定の書類を所轄庁に提出しなければなりません。
寄附金の管理に関する事務手続きの増加
認定NPO法人になると、寄附金を受けやすくなる分、寄附金に対しての管理事務が増加します。
寄附者側にとって、税控除等の優遇を受けることにもつながることから、寄附金台帳の作成や領収書の発行等、寄附金の取り扱いに関するさまざまな事務手続きを十分に注意して行わなければなりません。
認定基準を常に意識した法人運営の徹底
認定NPO法人には、NPO法人に課されていない要件がいくつかあります。
認定には有効期間があり、更新手続きをするためには、常に認定基準を意識した法人運営をしていかなければなりません。
また認定を取得すると、世間からの注目度も高まるため、より一層の適正な運営組織を維持し続けることが必要となります。