取締役及び監査役に対する「報酬等」は、定款に定めがないときは、株主総会の決議によって定めることになります。
「報酬等」とは、報酬、賞与その他の職務執行の対価として会社から受ける財産上の利益のこと。
報酬等の総額について、株主総会の承認を得ており、その枠内で支給する場合は、個々の取締役及び監査役に対する報酬等の額については、株主総会の決議を要しません。
取締役及び監査役に対する報酬等の改定の決議は、普通決議により行ないます。
決議における留意点としては、監査役は、株主総会において監査役の報酬等について意見を述べることができ、意見が述べられた場合は、その内容を株主総会議事録に記載するものとされています。
賞与については、株主総会で決議した報酬等の枠内において支給する方法と、賞与支給の都度、定額報酬とは別に株主総会で決議をし、支給する方法があります。
会社法上、「賞与」は報酬等の一部として、「報酬」とは区別して規定されているので、前者の方法(報酬等の枠内において支給)による場合には、議案の題名や内容において、「報酬」ではなく「報酬等」という用語を用いるのが適切です。
また、取締役の報酬等の議案については、算定の基準、変更する場合は変更の理由、取締役の員数を、株主総会参考書類に記載すべきとされております。
実際の株主総会においても、これらを意識した説明や決議がなされるのが適切であり、株主総会議事録にもその内容を記載します。
なお、報酬等の支給の総枠を決議した場合、個々の取締役の報酬額の配分は、取締役会の決定に委ねることになりますが、その旨を株主総会において説明して決議し、株主総会議事録にも記載をすることが適切です。