医療法人には、大きく分けて「医療法人社団」と「医療法人財団」とがあります。
今回は、この2つの法人の概要についてご説明いたします。
医療法人社団の概要
医療法人社団とは、複数の人の集団を基礎とし、成立する医療法人の形態です。
現在は、この法人形態が主流となっています。
医療法人社団の構成員のことを、社員といいます。
医療法人社団は、人の集団を基礎とするため、社員の存在は不可欠となります。
社員が、現金や医療機器、不動産などの財産を拠出することにより、医療法人社団の財産的基礎となる資産を構成します。
拠出された財産は、基金として計上され、医療法人社団は、将来的に拠出者に対し、拠出された財産を返還する義務を負っています。
医療法人社団の根幹を定める規則として、「定款」を定めることとなっています。
医療法人社団の社員や役員は、この定款の規定に基づき、適切に法人を運営していくことが求められます。
医療法人財団の概要
医療法人財団とは、財産の集団を基礎とし、成立する医療法人の形態です。
現在では、新たに設立するケースはほとんどありません。
財団法人は、社員の存在を想定していません。
法人の機関として、評議員会、理事会及び監事を設置することが義務付けられています。
個人又は法人が、現金や医療機器、不動産などの財産を寄附することにより、医療法人財団の財産的基礎となる資産を構成します。
医療法人財団の根幹を定める規則として、「寄附行為」を定めることとなっています。
医療法人財団は、この寄附行為の規定に基づき、運営されていきます。