基金制度
基金とは
基金とは、医療法人社団に拠出された金銭、その他の財産であり、医療法人が拠出者に対して返還義務を負うものです。
基金制度を採用することにより、剰余金の配当を目的としないという医療法人の基本的性格を維持しつつ、その活動の原資となる資金を調達し、その財産的基礎の維持を図ることができます。
この基金制度を採用する場合、医療法人は基金制度についての定款の定めを設けなければなりません。
また、基金を引き受ける者を募集しようとする時は、その都度、次に掲げる事項を定めなければなりません。
- 募集に係る基金の総額
- 金銭以外の財産を拠出の目的とする時は、その旨及び当該財産の内容および価格
- 金銭の振り込み、または2の財産の給付の期日又はその期間
基金と社員の関係について
基金の拠出者が、社員とは限りません。
したがって、基金を拠出したとしても、社員でない限り、総会においての議決権を持ちません。
基金として拠出可能な財産
基金として拠出可能な財産は都道府県によって異なりますが、概ね以下のようなものが挙げられます。
- 金銭
- 医業未収金
- 医薬品、衛生材料等の棚卸資産
- 土地、建物、医療用機器、備品等の有形固定資産
基金に拠出する、金銭以外の現物拠出の価額が500万円を超える場合は、その価額が相当であるという、弁護士・弁護士法人・公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人の証明が必要です。
ただし、以下の拠出に関しては適用されません。
- 市場価格のある有価証券
- 現物拠出財産が社団医療法人に対する金銭債権
なお、以下の者は、上記の証明をすることができません。
- 医療法人の社員、役員、従業員
- 基金の引受人
- 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しないもの
- 弁護士法人・監査法人・税理士法人であって、その社員の半数以上が1及び2に掲げる者に該当する場合
基本財産と通常財産
拠出した財産は基本財産と通常財産のどちらかに分類されます。
- 基本財産
不動産、運営基金等の重要な資産 - 通常財産
基本財産以外の資産
土地や建物等の不動産を拠出する場合は、基本財産とすることが望ましいとされています。
基本財産に分類させる場合は、定款にその旨を規定します。
基本財産を処分するには、医療法人にとって重要な資産の処分となることから、定款の変更を要し、事前に都道府県に対して、認可申請を行う必要があります。