医療法人の社員総会とは
社員総会とは、社員によって構成される合議体のことです。
社員総会は、理事の選任や解任を決議する権能があるため、医療法人の最高意思決定機関とされています。
社員は1人につき1個の議決権を有しており、社員総会の出席者の過半数によって議事を決します。
持分のある医療法人においても、社員1人につき1個の議決権であることは変わらず、出資割合によって議決権の数に差を設けることはできません。
定時社員総会
医療法上、少なくとも毎年1回は、社員総会を開催しなければなりません。
厚生労働省や各都道府県では、「収支予算の決定」と「決算の決定」のため、毎年2回以上、社員総会を開催することが望ましいとしています。
定時社員総会は、決算月と決算後2か月目が運用上適切とされています。
- 事業年度終了前に次年度の予算の決定
- 決算後2か月迄に、前年度の決算の承認
毎年、定期的に開催される社員総会を、定時社員総会といいます。
臨時社員総会
必要に応じて不定期に開催される社員総会を、臨時社員総会といいます。
臨時社員総会は、理事長の判断による場合や、一定数の社員の請求に基づく場合、監事の招集による場合があります。
社員総会の決議事項
社員総会の決議事項については、医療法で定められたものと、定款で定めるものがあります。
【医療法で定める社員総会の決議事項】
- 役員の選任
- 役員の解任
- 定款の変更
- 理事の報酬等(定款で定めていない場合)
【定款で定める社員総会の決議事項】
- 基本財産の設定及び処分
- 毎事業年度の事業計画の決定及び変更
- 収支予算及び決算の決定又は変更
- 重要な資産の処分
- 借入金額の最高限度の決定
- 社員の入社及び除名
- 医療法人の解散
- 他の医療法人との合併若しくは分割に係る契約の締結又は分割計画の決定
社員総会の議事録
社員総会を開催した場合、その議事の内容を記録した議事録を作成します。
作成した社員総会議事録は、医療法人に備え置き、一定の場合に、閲覧・謄写をさせなければなりません。