医療法人

MS法人の活用について

MS法人の活用

MS法人とは

MS法人とは、医療機関に対し、不動産賃貸等の取引を行う同族経営の株式会社のことを指します。
また、コンタクトレンズ販売、化粧品・サプリメント製造・販売等を行う、同族経営の株式会社もMS法人と呼びます。

MS法人という法人格が存在するわけではなく、あくまで上記のような同族経営の株式会社の俗称です。

MS法人を設立する目的として、以下が挙げられます。

  1. 節税のため
  2. 介護サービス事業や、コンタクトレンズや化粧品等の販売を行うため
  3. 不動産の管理をするため

MS法人には消費税が課されるため、節税を目的に設立をしても、あまり効果が期待できないケースもあります。
ただ、個人開設の診療所がMS法人を設立する場合は、以下の理由から節税になるケースの方が多い印象です。

  1. 親族を役員に就任させ、役員報酬を支払うことができる。
  2. 役員を被保険者とした生命保険に加入でき、その保険料を経費として計上することができる。
  3. 役員に対して退職金を支給することができる。
  4. 所得税率よりも法人税率の方が低い。

医療法人がMS法人を設立するケース

一方で、医療法人がMS法人を設立する理由として、不動産の賃貸及び管理を目的とするものが考えられます。

医療法人は、職員向けの社宅や、高齢者専用住宅など限られた用途でしか不動産賃貸を行うことができません。
MS法人であれば、用途制限がなく、不動産の賃貸を行うことができます。

また、医療法人は社員一人についき、1個の議決権を持つため、経営者の支配権の確保が難しくなります。
支配権を奪われてしまった場合、不動産を失ってしまうことも考えられます。

不動産をMS法人に所有させることは、上記の予防策としても有効です。

MS法人と医療機関との取引例

MS法人の業務には、以下のようなものがあります。

  1. 不動産賃貸
  2. コンサルタント業務
  3. 清掃業務請負
  4. 医療事務代行
  5. 経理事務委託業務
  6. 給与計算事務委託業務
  7. 売店の経営
  8. 化粧品の製造・販売
  9. サプリメントの製造・販売

MS法人と医療機関との取引にあたっては、適正性が重要です。
契約書を作成すること、金額の算定根拠を用意することなどに留意し、取引をする必要があります。