NPO法人

NPO法人と一般社団法人の違い

NPO法人と一般社団法人

NPO法人の設立を考えられている方の中には、一般社団法人を設立すべきか悩まれている方も多くいらっしゃいます。
自分たちの活動がどちらに適しているのかを見極め、適切な法人格で設立できるよう、両法人の違いについてご説明をいたします。

公益性

公益活動については、NPO法人と一般社団法人とでは大きく異なります。

NPO法人は、不特定多数の利益の増進に寄与することを目的とした法人であり、その公益性を担保するため、法律により規制が設けられています。
活動範囲を20分野に特定する、社員の最低人数要件、宗教・政治等の活動制限、社員資格の得喪に条件を付さない、役員の欠格事由などです。

一方、一般社団法人は、法律によって公益性は求められていません。(公益社団法人を除く。)
したがって、法律による規制が少ないため、活動範囲に縛られず、少人数から事業を始めることができます。

透明性

NPO法人の本質は市民活動にあり、活動の監督は基本的には市民に委ねられています。
事業報告等が公開されているのも、市民の目によって法人を監視することで、活動が自浄化されていくことを法律が期待しているからです。

そのため、設立手続きや毎年の事業報告書の提出などの事務手続きが、一般社団法人に比べて多いといえます。

一方、一般社団法人には、毎事業年度ごとに貸借対照表を法人の定める公告方法により開示する義務があります。
貸借対照表のみの公告で良いため、事務手続きに要する労力は、比較的容易であるといえます。(大規模一般社団法人を除く。)

しかし、市民の理解や支援を得ようとする場合は、自主的に貸借対照表以外の法人内容や活動実績を開示するなどし、自らの手で信頼を獲得していくことが必要となります。

人員と税制

社員の最少人数は、NPO法人が10名で、一般社団法人が2名です。
役員の最少人数は、NPO法人が4名で、一般社団法人は1名です。

一般社団法人の場合、夫婦や親子等の身内2名で設立し、うち1名を役員にして、設立することができます。
NPO法人の場合は、役員に親族を制限する規定があるため、身内のみで設立することはできません。

法人税に関しては、NPO法人は税法上の収益事業にのみ課税されます。

一般社団法人は、原則として課税対象ですが、「非営利型一般社団法人」の要件を満たした法人は、NPO法人と同様、収益事業にのみ課税されます。

設立・登記手続き

一般社団法人は、定款を作成し、公証役場の認証を経て法務局に設立登記申請をします。
所要期間は、一般的に2週間~1か月程度です。

一方、NPO法人は、所轄庁に申請をした後、縦覧・審査・認証の過程を経て、設立登記申請をします。
所要期間は、一般的に3~5か月程度です。

登記に関する法定費用は、NPO法人は非課税ですが、一般社団法人の設立の場合は、定款認証と登記申請合わせて11万円ほどの費用が発生します。