一般社団法人は、構成員である社員に剰余金の分配をすることができません。
その根拠となる法律が一般法人法第11条第2項及び第35条第3項になります。
- 一般法人法第11条第2項
社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。 - 一般法人法第35条第3項
社員総会は、社員に剰余金を分配する旨の決議をすることができない。
以上の2つの条文から、剰余金の分配については、定款によっても、また、社員総会の決議によっても、社員に剰余金の分配をすることができないということが分かります。
裏を返すと、社員以外の者に剰余金の分配をする旨の定款の定めを置くこと、社員以外の者に剰余金の分配をする社員総会の決議をすることは可能ということになります。
また、残余財産の分配については、定款で、社員に分配をする旨の定めを置くことはできません。
(解散後に社員総会の決議で、社員に残余財産の分配をすることは可能です。)
こちらも裏を返すと、社員以外の者に残余財産の分配をする旨の定款の定めを置くこと、社員以外の者に残余財産の分配をする社員総会の決議をすることは可能ということになります。
剰余金の分配まとめ
- 法律上、社員への剰余金の分配は禁止されています。
- 社員以外の者への剰余金の分配は可能です。
(定款・社員総会の決議どちらでもOK)
残余財産の分配まとめ
- 社員への残余財産の分配は、解散後に社員総会の決議でのみ可能です。
(定款で定めることはできません) - 社員以外の者への残余財産の分配は可能です。
(定款・社員総会の決議どちらでもOK)
※以上は、一般的な一般社団法人に当てはまるものであり、法人税法上の非営利型一般社団法人は、剰余金の分配や残余財産の分配についての規制がより厳しくなっています。